先々月、これのハードカバーを友人から借りて読んでいたのだが、とても好みだったので買おうかどうしようかと思っていたところ、文庫におていたので勇んで買ってみた。やっぱり面白い。ネタとしてはよくあるのかもしれないが、主人公と彼の友人と、そのふたりともがひどく淡々としているのがとても新鮮である。

おそらくはもう死んでいるのだろう友人。言わば彼は幽霊なのであろうが、主人公はまったく不思議とも思わずにすんなりと彼を受け入れる。そんな主人公だからこそ、彼の周りには不思議がたくさん存在しているのだろう。あるがままに、すべてを受け入れ、飲み込んで生きる。淡々とした中に確かに存在する情は、だからこそとてもあたたかくやさしい。

これなら、シリーズ化されてもいいのになー。

ISBN:4101253374 文庫 梨木 香歩 新潮社 ?380

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