てっきり伯爵と妖精のシリーズ新刊なのかと思ったら、まったくちがう1冊読みきりの本だった。しかし……これ、とどのつまりダブルアンハッピーエンド…? 読み終わって少しばかり茫然としてしまった。コバルトでこういう系統は珍しいかも…。これはこれでおもしろい話だとは思ったが、シリーズ物でこういうエンディングだけは勘弁してほしい、そう切に願う。

ふたつの時代が夢と語りで繋がれるという設定は興味深かったが、話の流れ自体にはあまり新鮮味がなかったように思う。どこかで見たような観が否めない。単純に好みから言えば、もう少しアイーシャに元気さと明るさがほしかったかな。話の流れからいって仕方ないことなのかもしれないが、底に流れる陰鬱さが少しばかり重たかった。

来月は伯爵と妖精シリーズの最新刊が出るらしい。すごいな…。楽しみではあるが、その筆の早さに何より感嘆する。

ISBN:4086007339 文庫 谷 瑞恵 集英社 2006/03 ¥500

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