東京に住む妹が、美味しいお茶があると言って送ってくれたのがこのお茶。一保堂茶舗と言えば、お茶好きなら大抵知っている、京都の日本茶の老舗である。エッセイストの廣瀬裕子さんの著書でも度々出てくるお茶だ。一度飲んでみたいと思いつつもそのままになっていたのだが、妹からのうれしいプレゼントである。

早速梱包されていた袋から茶筒に移そうとして、封を切ると立ち上るうっとりするようないい香り…! もう飲まずともこのお茶がどれ程素晴らしいお茶であるのか、香りだけでもよくわかるというものだ。どちらかといえば日本茶は苦手にしている私だが、このお茶はちがう。絶対にちがう。何が違うって…そう何もかもが。

わくわくしながら急須に茶葉を入れ、湯をそそぐ。そそいだ瞬間にもかぐわしい香りがふわーと漂う。しあわせ過ぎる。飲む前から恍惚。

少しばかり蒸らして(あまり長くは蒸らさない方がいいようだ)、湯呑にそそげば、何とも言えないきれいな色がついていた。まずは茶器を持ち上げ、湯気と共に上がる香りを堪能する。ゆっくりと口に含む。とても深い味がする。のどを滑るときも、香りがそのまま落ちてゆくような気がした。

このお茶のすごいところは、一煎より二煎、三煎と美味しく飲め、またそれ以降も今度は美しい紅をのせた水色と、尚残る芳香でいつまでも美味しく、また楽しく飲めるところだろう。

もうほうじ茶はこれ以外飲めない。なんて魔力だ。

一保堂茶舗  http://www.ippodo-tea.co.jp/

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