シリーズ最新刊。今回はオールキャラ見参!といった感じで懐かしい面々と絡むのがいい。しかし意外だったのが、藍家のあの変人を極める天才児が今回異様に格好よかったこと。たとえ頭がきのこだらけだったとしても、何とも鮮やかなやり口で秀麗を泣かせるシーンでは文句なく彼は男前だった。…と思う。変な美形が大好物なので(普通の美形キャラには触手が動かない。それもどうなのか)、うっかり惚れそうになってしまった。

今回はとにかく秀麗の成長っぷりが目覚しい。ずっと物語を追いかけてきた読者にしてみればそれは自然な流れなのだが、久方ぶりにあった都の面々にとって、彼女の変化は驚くべきものであったようだ。言葉を失った野次馬たちの顔色を思えばにやりと笑みが浮かんでくる。してやったり。それは本当は作者の言葉だったのかもしれない。

ラストでは思いきり影月の謎を巻くだけ巻いて切れてしまっていた…おーい。でもまあ発行ペースが早い本なので我慢我慢。それにしても彼は人外なのか…? ジジイ連中と言い、龍蓮と言い、某家の当主らしき銀髪の謎のキャラと言い、ムチャクチャ人外率の高い本だ。妖怪百物語ではなかったはずなのだが…(笑)。

何はともあれ、次巻がとても楽しみだ。

ISBN:4044499071 文庫 雪乃 紗衣 角川書店 2005/07/30 ¥480

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