このシリーズの新刊は久々だなと思っていたら、本当にとんでもなくびっくりする程久しぶりだった…。前のシリーズはちゃんと新書版で今でも売らずに本棚におさまっている。この気の長さは田中某先生とか永野某先生などのおそろしくスローペースな小説やコミックでつちかわれたものと思われる。………。感謝すべきなのか…?

元々近未来ものは大好きで、アンドロイド系統はかなり好きだ。かと言ってSFにのめり込む程のディープさではないので(アシモフやディックは好きだけど)、このひとの作品は疲れることなく丁度よい重さと軽さだと思う。本家ジョーカーシリーズも好きだったが、最近無事に完結した。月光界シリーズも今はなき大陸書房の昔からそっくり揃えて読んでいたが、こちらも最近完結した。後者はもっと読みたかったのだがなー。特に一番最初のシリーズ。弓香が女帝として月光界を治めているところを読んでみたかった(外伝として秀子の章はあったが、あくまで彼女は脇役だったので)。

それはさておき本書だが、SAは相変わらずのひねくれぶりでそれでいて秋津のことを相当気に入っているのは言うまでもない。人間に入れ込み、愛してしまったジョーカーのことを尊敬しているがゆえに、自分の中にも少なからずそういう思いがあることを認めたがらないのは、少年の思春期のようで微笑ましい。多分、秋津もそれに似たような気持ちがあるのかも。今回の秋津の新しい眼のシステムはかなり面白そうだった。しかし特捜司法官にとってますます彼は重要人物になりつつある。リィンやジェンクスの出番がこれから先にあるといいなと思いつつ、再開されたこのシリーズを心から歓迎する。

ISBN:4403540953 文庫 麻城 ゆう 新書館 2005/07 ¥630

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