繋がりの色 温度の違い
2005年2月2日最後を伝える電話は、まだ来ていない。北海道と東京で遠く離れているので、奇妙に現実感がなく、それでいてもどかしさがある。
彼女の容態は変わらずに悪く、時間の問題であることに変わりはないようだ。昨夜は意識がなかったようだが、今日の痛みを薬で抑えているそうだ。そう、妹が言っていた。眠らせて、そのまま逝かせるというようなことを聞いていたのだが変更になったのだろうか…。痛いばかりが続くならと思ってしまうのは、実の親でないせいだろうか。いや、実の母がそうだったとしたら何よりそれを願ってしまうかもしれない。残される自分が耐えるのはたやすいことだ。失ってしまうのなら、傷はどのみち治ることはないのだから。だけど、彼女の痛みには終わりがある。そして、終わらせてあげることが出来るのは実の家族だけなのだと、今、そんな風に思っている。
義母の死を目の前にして、それでも彼女はまだ生きているのに葬式の算段をする親戚がいる。妊婦である妹に、「妊婦は葬式に出ない方がいい」としたり顔で告げてくる親戚がいる。そんなことを伝え聞いて、東京に吹く冷たい風を思った。ひとりでいる妹が可哀想になった。ひとりだけ、温度の違う彼女。彼女の夫も、義理の妹も、義父も、同じ温度でこの悲しみと絶望を味わっている。同じくらい傷付いて悲しみながらも、妹は多分少しだけ距離を置かれている。血の繋がりを思う。心の繋がりを思う。
彼女の明日を思う。痛みのない明日を願う。
彼女の容態は変わらずに悪く、時間の問題であることに変わりはないようだ。昨夜は意識がなかったようだが、今日の痛みを薬で抑えているそうだ。そう、妹が言っていた。眠らせて、そのまま逝かせるというようなことを聞いていたのだが変更になったのだろうか…。痛いばかりが続くならと思ってしまうのは、実の親でないせいだろうか。いや、実の母がそうだったとしたら何よりそれを願ってしまうかもしれない。残される自分が耐えるのはたやすいことだ。失ってしまうのなら、傷はどのみち治ることはないのだから。だけど、彼女の痛みには終わりがある。そして、終わらせてあげることが出来るのは実の家族だけなのだと、今、そんな風に思っている。
義母の死を目の前にして、それでも彼女はまだ生きているのに葬式の算段をする親戚がいる。妊婦である妹に、「妊婦は葬式に出ない方がいい」としたり顔で告げてくる親戚がいる。そんなことを伝え聞いて、東京に吹く冷たい風を思った。ひとりでいる妹が可哀想になった。ひとりだけ、温度の違う彼女。彼女の夫も、義理の妹も、義父も、同じ温度でこの悲しみと絶望を味わっている。同じくらい傷付いて悲しみながらも、妹は多分少しだけ距離を置かれている。血の繋がりを思う。心の繋がりを思う。
彼女の明日を思う。痛みのない明日を願う。
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