リカちゃん人形がほしいといったら、おばあさんがくれたのは「りかさん」という名前のついた市松人形だった…。というくだりだけで何だか興味を惹かれてしまう。このひとの本はいつも斬新な入り口でぐいと心をつかむ強さがあると思う。不思議と現実が曖昧なボーダーラインで融合した絶妙のバランスが、何よりこの作家の持ち味なのだろう。読後いろいろと考えさせられることが多いのもこのひとの特徴だ。今はまだ彼女の世界から現実に戻ってこられないでいる。時代が既に失くしてしまった懐かしくてやさしくて温かい何かをこの本は教えてくれる。
さて今日から師走。朝っぱらからバスを逃して散々と思いきや、仕事が異様にはかどった不思議な一日だった。昼休みにコーヒーを飲みながら読んだこの本のせいで、不思議の欠片がこちらまで飛んできたのかもしれない。などと思うと、平日の億劫な一日も楽しくなってくるような気がする。それにしても、もう12月だなんて1年はあっという間だ。
ISBN:410125334X 文庫 梨木 香歩 新潮社 2003/06 ¥500
さて今日から師走。朝っぱらからバスを逃して散々と思いきや、仕事が異様にはかどった不思議な一日だった。昼休みにコーヒーを飲みながら読んだこの本のせいで、不思議の欠片がこちらまで飛んできたのかもしれない。などと思うと、平日の億劫な一日も楽しくなってくるような気がする。それにしても、もう12月だなんて1年はあっという間だ。
ISBN:410125334X 文庫 梨木 香歩 新潮社 2003/06 ¥500
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