BLUE LIMBO

2004年10月29日 音楽
珍しく今日は音楽レビューで。平沢進氏。ベルセルクとか千年女優とか妄想代理人あたりでご存知の方も多いやもしれない。尤も私はそのあたりから入ったのではなく、転んだのは割合最近のことで、最初に買ったアルバムも「賢者のプロペラ」である。これも秀逸なアルバムなのでそのうちレビューを。そして「BLUE LIMBO」は最新作「妄想代理人サウンドトラック」の前の前に出たアルバムなのだが、私が彼に転ぶきっかけとなった曲がこれに収録されているので大変思い出深い。

その曲の名は「高貴な城」という。今でも彼のサイトでは無料DLして聴くことが可能だったかどうか確認していないのだが、当時、反戦の意味を込めて平沢氏はこの曲を無料配布していた。友人に勧められるままに聴いたその曲は私の心へダイレクトに叫んできたのを今も覚えている。衝撃的な曲だった。

メロディラインは繊細といっていい美しさで、彼の透明な声にとてもよく合っている。しかし歌われている言葉は痛切な思いと怒りが込められ、今も苦しむ某国の人々と、彼らを理由なく攻撃した国への熱く深いメッセージが込められているのだった。一度聴けば忘れられない。だが、何度も繰り返し聞けばそれはいつか心の一部になる。そんな力を持つ曲だ。

この曲以外にも「祖父なる風」や「狙撃手」など是非聴いてみてほしい曲がたくさんある。彼の思いと熱と優しさと真摯さが、綺麗な声と旋律に乗って五臓六腑に染み渡る。ライブに行ってみたいのだが、大都市でしか開催してくれないのでとても切ない…。

平沢進 CD インディペンデントレーベル 2003/02/13 ¥3,150
祖父なる風
RIDE THE BLUE LIMBO
ツオルコフスキー・クレーターの無口な門
CAMBODIAN LIMBO
帆船108
狙撃手
LIMBO-54
HALO
高貴な城
サトワン暦8869年
日本のエレクトリック・ミュージックの先駆者、平沢進の9thアルバム。アジア的なムードを感じさせるメロディと最先端の電子音響を融合させるセンスは、「さすが!」というしかないが、「蛮行と戦争の恐怖で制御される惑星BLUE LIMBO」をコンセプトに設定、アルバム全体のイメージを精緻(せいち)にコントロールすることで、聴く者を(ま…

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