カブラルの呪われた秘宝
2004年9月19日 読書
これは前回書いた「奈落の女神」より前の話である。ミステリーとしてはこちらの方が面白いかもしれない。元々ライトミステリーといった感じで、推理するよりはコラリーとフェリックス、それにシュシナック他ふたりを取り巻くキャラたちの言動を追う方が楽しいシリーズではある。
孤島で進んでゆく話は、逃げ場のない切迫したどきどき感があるのが常だと思うのだが、彼等の言動があまりに可笑しくて緊張感がない。ミステリーとしての評価は低いかもしれないが、元々ミステリー好きとは言い難い私にはこれくらいの方が読みやすいかも。
シュシナックがコラリーに対してかなり本気になった回でもある。しかしどう考えてもあの恋敵にはさすがの怪盗も敵わない気がするんだけど…。最後の思惑、コラリーに残した手紙さえ、抜け目なく先に処分するフェリックスは本当に千里眼の気がしてならない。但しコラリーが絡んだときだけ。人間として明らかに何かが欠如しているフェリックスだが、コラリー絡みの部分だけ抜き出して読めばなかなか可愛い青年ではないかと思う。そう思うこと自体、既に人間外の仲間入り宣言なのだろうか…。試合に勝って勝負に負けたといわんばかりのシュシナックが少し可哀想でもある。
ISBN:4086145111 文庫 橘香 いくの 集英社 1998/10 ¥560
孤島で進んでゆく話は、逃げ場のない切迫したどきどき感があるのが常だと思うのだが、彼等の言動があまりに可笑しくて緊張感がない。ミステリーとしての評価は低いかもしれないが、元々ミステリー好きとは言い難い私にはこれくらいの方が読みやすいかも。
シュシナックがコラリーに対してかなり本気になった回でもある。しかしどう考えてもあの恋敵にはさすがの怪盗も敵わない気がするんだけど…。最後の思惑、コラリーに残した手紙さえ、抜け目なく先に処分するフェリックスは本当に千里眼の気がしてならない。但しコラリーが絡んだときだけ。人間として明らかに何かが欠如しているフェリックスだが、コラリー絡みの部分だけ抜き出して読めばなかなか可愛い青年ではないかと思う。そう思うこと自体、既に人間外の仲間入り宣言なのだろうか…。試合に勝って勝負に負けたといわんばかりのシュシナックが少し可哀想でもある。
ISBN:4086145111 文庫 橘香 いくの 集英社 1998/10 ¥560
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