入手できた順番に読んでいるので、シリーズ物だというのに滅茶苦茶な順序で読んでいる。これはシリーズ3作目の作品なので、主人公カップルはまだそれ程ラブラブではない(尤も彼らは結婚間近になってもさして変わりはしないのだが)。
コラリーとフェリックスの主人公以外に、とても人気のあるキャラクターがいる。それがシュシナックだ。怪盗であり、その手口の鮮やかさに民衆から喝采を浴びている人間である。変装の名人で素顔を知る者は少ない。というか確か主人公のふたりだけだったと思う。中でもフェリックスは、シュシナックがどれ程見事に変装しようが一発でわかってしまう。彼は怪盗の匂いでも覚えているんだろうか(ありえそうで怖い)。もとい、彼が覚えているのは怪盗の匂いではなく、憎むべき恋敵の匂いだろう。殺気に近いような気もする。
まあそんなフェリックスの恋敵、シュシナックも多く出演する一作なのだが、コラリーが自ら事件に巻き込まれていくのは相変わらずである。今回の舞台は、コラリーがフェリックスの婚約させられるまで通っていた修道院の寄宿学校のある地だった。そこの領主である伯爵家に、もう断絶した筈の王家のご落胤が現れたというのが最初のきっかけなのだが、それの調査に向かった(もとい現国王に強制的に向かわされた)フェリックスと、伯爵の持つ何かを狙って現れた怪盗、更に寄宿学校に残した荷物を取りにきていたコラリー他、どんどんとメンバーが事件に関わってゆく。その展開のテンポが軽快で読みやすいのがこのシリーズの特徴のひとつだろうと思う。
見所はいろいろあるが、フェリックス贔屓の私としてはコラリーを傷付けられてプチンとキレた彼がポイント高い。冷静沈着というか感情をどこかに置き忘れてきたかのように見えるフェリックスだが、コラリーが絡むと無表情の下で激しい炎を燃やす。それは怒りだったり嫉妬だったりするわけだが、肝心のコラリーはそれをあまりよくわかっていない。シュシナックや、腐れ縁?の探偵ボナバンはすぐに気付いているのに。そのあたりの擦れ違いがまた面白い。
どうも暫くはこのシリーズのレビューになりそうな…。
ISBN:4086145537 文庫 橘香 いくの 集英社 1999/02 ¥540
コラリーとフェリックスの主人公以外に、とても人気のあるキャラクターがいる。それがシュシナックだ。怪盗であり、その手口の鮮やかさに民衆から喝采を浴びている人間である。変装の名人で素顔を知る者は少ない。というか確か主人公のふたりだけだったと思う。中でもフェリックスは、シュシナックがどれ程見事に変装しようが一発でわかってしまう。彼は怪盗の匂いでも覚えているんだろうか(ありえそうで怖い)。もとい、彼が覚えているのは怪盗の匂いではなく、憎むべき恋敵の匂いだろう。殺気に近いような気もする。
まあそんなフェリックスの恋敵、シュシナックも多く出演する一作なのだが、コラリーが自ら事件に巻き込まれていくのは相変わらずである。今回の舞台は、コラリーがフェリックスの婚約させられるまで通っていた修道院の寄宿学校のある地だった。そこの領主である伯爵家に、もう断絶した筈の王家のご落胤が現れたというのが最初のきっかけなのだが、それの調査に向かった(もとい現国王に強制的に向かわされた)フェリックスと、伯爵の持つ何かを狙って現れた怪盗、更に寄宿学校に残した荷物を取りにきていたコラリー他、どんどんとメンバーが事件に関わってゆく。その展開のテンポが軽快で読みやすいのがこのシリーズの特徴のひとつだろうと思う。
見所はいろいろあるが、フェリックス贔屓の私としてはコラリーを傷付けられてプチンとキレた彼がポイント高い。冷静沈着というか感情をどこかに置き忘れてきたかのように見えるフェリックスだが、コラリーが絡むと無表情の下で激しい炎を燃やす。それは怒りだったり嫉妬だったりするわけだが、肝心のコラリーはそれをあまりよくわかっていない。シュシナックや、腐れ縁?の探偵ボナバンはすぐに気付いているのに。そのあたりの擦れ違いがまた面白い。
どうも暫くはこのシリーズのレビューになりそうな…。
ISBN:4086145537 文庫 橘香 いくの 集英社 1999/02 ¥540
コメント